Corecolors #4「描くことで、未来を拓く」- ワカツタ 小川 綾さん
コレカラ女子の新企画『Corecolors(コレカラーズ)』!
宮崎で活躍する女性たちにスポットを当てて、「これまでの歩み」「今の活動」「そしてこれからの未来」をぎゅっと語ってもらう企画です。
Core(核・想い) と Colors(彩り・個性) を組み合わせた名前の通り、女性たちが自分らしい未来を自由に描く姿をお届けします!
第四回ゲストは、ワカツタ代表・小川綾さん。小川さんは「グラフィックレコーダー」として活躍されています。

「グラフィックレコーダー」…って!?と思った方も多いのでは?
どんなお仕事なのか、これまでのキャリアステップ、そして、3児の母でもある綾さんの家族との向き合い方、お金の管理術まで!色々と深くお話をうかがっちゃいました。
ぜひ最後まで御覧ください❤
グラレコが持つ「問い」を深める力
今回のゲストはこの方です!自己紹介をお願いします。

「グラフィックレコーダー」として活動しています、ワカツタ代表・小川綾といいます。
小川さんの職業であるグラフィックレコーダーという言葉を初めて聞きました。具体的にどういったものなんでしょうか?

グラフィックレコーディングとは、議事録や対話、家族間のコミュニケーションなどで、文字だけでなく絵を使って情報を視える化していく方法です。
言葉や文字だけでは伝わりにくい内容も、視覚的に整理することで理解しやすくなるんですよ。

なるほど!歴史的にはかなり長い職業なのでしょうか?

そうですね!
古くは1970年代にアメリカ西海岸を中心に、住民参加のまちづくりや非営利組織の話し合いの中で用いられたのが始まり(※) と言われてます。
人種も宗教も言語も違う中で、グラフィックを使ってコミュニケーションを図る「まちづくりの手法」として発展したと言われています。
そこから日本でも活用が広まり、ワークショップのスキルの一つとして育ってきています。
宮崎でもまだ2人。九州でもまだまだ数少ない状態ですね。
※清水淳子『Graphic Recorder 議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』BNN より

お話を聞いていると、文字を読むのが苦手な方や、大人に限らず子どもにもすごく分かりやすくなる、非常に必要性を感じる職業だと感じました!

そうですね。
子どもとコミュニケーションを取るとき、文字だけでは難しいこともありますよね。
例えば「複利とは何か」「貯蓄と投資の違い」といったお金の話も、絵で可視化することで理解しやすくなります。
また、大人も教えながら自分の理解を深められるんです。
一緒に考えたり調べたりするプロセスも、親子のコミュニケーションに役立ちます。
娘が「なぜ戦争があるの?」と聞いてきたことがあって、あの時に小川さんがいてくれたら、もっと深いところまでお互いの理解を深めていけたのではと思いました。

そうですね、そういったシーンでもすごく役立つと思います!
今回のお子さんからの投げかけは「問い」の世界ですね。
質問(相手だけが答えを持つ)でも、発問(先生が答えを知っている)でもなく、答えや正解を探し求めるのではなく考えること自体に価値がある「問い」。
大人と子どもでは使える語彙に差があるので、子どもに対しては不利になりがちですが、例えば戦争ってどんな感じ?と対話しながら絵を描いてみて…


「どんな気持ち?」「どんな色?」と対話することで、お互いの解像度を上げることができます。
それが、戦争という問題の背景を考えることにつながると思っています。
子どもたちは自由に表現でき、大人も学びながら一緒に考えられる。それがグラフィックレコーディングの強みですね。
唯一見つけた光「グラレコ」というポータブルスキル
そもそも、小川さんはご出身はどちらなんですか?

大分市です。
鹿児島大学を卒業した後に、ずっとサーフィンをやっていて、太陽が出て暖かい場所でサーフィンがしたいと思い、宮崎市役所を受けて就職しました。
行政には約14年勤めていました。
市役所にお勤めの時に、グラフィックレコーディングに出会ったのですか?

そうです。ちょうどコロナ禍で、かつ3人目を妊娠していました。外に出られず、先の見えない不安が続き、お金や将来への心配が一気に大きくなっていました。
育休と産休を繰り返してキャリアにはどうしてもブランクができるし、復帰してもフルで働けるわけではありません。熱や病気、学校の予定などで呼ばれることも多く、両親も近くにいないため、夫婦だけでなんとか回していました。
このままでは不安だと感じ、「どこでも使えるスキル=ポータブルスキル」を身につけたいと、動画編集、ライティング、プログラミングなど色々試しました。
でもどれも全然できなくて…毎回つまずいては泣きそうになっていました。
赤ちゃんを抱っこしながら作業なんてできるわけもなく、「私、何のためにこんなに頑張ってるんだろう」と思う日も多かったんです。
膝の上で赤ちゃんをトントンしながら作業していた時間は、正直つらかったですね。

それは社会的にも身体的にも、メンタルが不安定になりやすい状況でしたね…😭

はい。
でもそんな中で唯一「これなら私にもできるかも」と思えたのが、グラフィックレコーディングでした。
小さな光に出会えたんですね!
イラストは元から好きだったんですか?

いや、自ら進んで絵は描かないです(笑)。
でも思考の整理の時に活用したり話を聞いたり、対話の中でイメージが浮かぶので描けます。
また、グラレコは、書いたものに他の人が後から手を加えても良い「ソーシャルアート」として開かれているので、私だけのものじゃない、みんなのものだという点も魅力でした。
まだまだ馴染みのない職業だったと思うのですが、どうやって個人事業主として軌道に乗せていったのでしょうか?

公務員は許可を取れば地域貢献を目的とする副業ができます。
なので、公務員の頃から職場に許可を出して、宮崎大学の学生のイベントや地域のワークショップなどで描かせていただきました。
「二足のわらじ」だったおかげで、いろんなクライアントさんと出会えたり、いろんな場所で自分を知ってもらえたりできたのは大きかったと思います。


今は昔より個人事業がやりやすくなっていますが、それでもゼロの状態から始めるのはやっぱり大変。
特に最初の頃はお金が少ないと気持ちもぶれやすいですよね。
お金の不安やメンタルって本当に大事で、自分がご機嫌でいるためにはお金も健康も時間の余裕も必要です。
全部そろった状態で選ぶ選択肢は間違いにくいけど、何か一つでも欠けると後から「あれ?なんであんな選択しちゃったんだろ」ってなることが多い。
特に女性は体やライフステージの影響もあるので、男性より考えることが多い印象です。社会構造的にもまだまだ課題がありますね。
「ご機嫌でいる」ための金融リテラシー
確かに心の余裕もですが、お金の余裕もないと本来の力が発揮できないかと思います。
そのための知識はどうされてるんですか?

実は、グラフィックレコーディングを始める前に、FP(ファイナンシャルプランナー)と簿記3級を取得しました。
基礎的なマネーリテラシーの部分を自分で固めるためです。
す、すごい!ご自身でFPや簿記を取得されたのですね。

夫がお金に強いわけではないので、家事が好きではない私がお金の家計の計算をすることで、お互いの得意分野で助け合おうという考えでしたね!
簿記の概念が分かっていることで、今、事業として「インスタをやらなきゃ」と焦るのではなく、「どこの数字を動かしたいから、それをやらなきゃいけないんだっけ?」と、数字で考える優先順位が決まってくるようになりました。
金融リテラシーを上げることは人生にとってどういう意味合いがあると思いますか?

私にとってお金って、ざっくり言うと「困らないための手段」ですね。お金で解決できることは、迷わずお金で解決したほうが絶対ラク!
例えば、FPさんに相談すると、お金のことが不安でケンカばっかりしてた夫婦もスッキリすると思うんです。
飲みに行くお金も、美容にかけるお金も、お互い無駄だ〜!って言い合ってたけど…第3者のプロに入ってもらって数字の具体を見える化するだけで案外すんなり納得できたり。
要は、お金で解決できることはお金で解決したほうがいいってことですね!
確かに、懸命ですね!

あと、お金のリテラシーを上げるっていうのは、「お金で買えない大事なもの」をちゃんと意識できるようになること。
時間とか、子どもとの思い出とか、自分がやりたいこととか。そういうことにお金を回すために、お金は使えるときに使ったほうがいいんです。
親の金融リテラシーはそのまま子どもに影響します。
制度も毎年変わる中でキャッチアップは大変ですが、家族で「やりたいこと」と「必要なお金」を話すことが大事。難しければプロに相談して価値観を整理するのもおすすめですね!
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時間管理のための3ステップ! 心のコップ理論
やりたいことはあるけど、忙しくて時間がないという層は多いと思います。
どうすれば良いでしょうか?

まず大事なのは、見える化だと思います!
1. 自分の「心のコップ」の量がどれぐらいかを見る。
いっぱいいっぱい(10割)なら、寝る、休む、美味しいものを食べるなど、シンプルに減らすことをします。
2. 次に「やらなきゃいけないこと」のコップ(子ども、仕事、家事など)を書いてみる。
これで既に隙間がないなら、新しいことを入れようとしても溢れます。


3. 時間の整理整頓です。
新しいことをしたかったら、同じだけの時間を既存のことから抜かなきゃいけない。
例えば私なら、子どもたちは自分たちで朝ごはんを準備します。子どもたちとの朝ごはんの時間を抜いているんですよね。
他にも、食洗機やお掃除ロボットを買うなどお金で時間を解決して、その時間を勉強の時間に充てるなど、どこかしら抜く。
時間のコントロール感を取り戻すことが大事だと思います。
自分の容量がいっぱいの時は新しいものは入ってこない、というのはすごく実感しています。
私自身も、抜いたからこそ、今新しいものが入ってきています!


ワークライフバランスは全部いいとこ取りは難しいですよね。
メリハリをつけて、今何に注力すべきか優先順位をつけてやっていくのが大事です。
あと、忙しそうな人って損だな〜と思っていて…8割くらいで毎日生きる、つまりちょっと抜いておくことで、嬉しいニュースやハッピーなことが入ってくる余白を作ることが大切だと思います!
「緩くてもストイックに」 宮崎の女性へのメッセージ
最後に、宮崎の女性に一言メッセージをいただいてもよろしいですか?

宮崎は環境も良く、ゆっくりした時間が流れています。
女性として、母として、パートナーとして、どう生きたらいいんだろうと悩む方もいると思います。
私が最近好きなのは、「緩くてもストイックに」です。
時間に余裕を持ったり、自分を大切にしたりしながらも、譲れない芯をストイックに突き詰めていったら、もっともっと宮崎の女性は輝くと思います。
私も頑張るので、一緒に頑張れたら嬉しいです。
綾さんのCorecolorsポイント(保存版)

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「描くこと」が、もやもやを晴らす小さな魔法に
時間がなくて、心の中に複雑な不安が溜まっていくと、世界が少しだけ白くかすんで見えることがあります。
でも、その“もや”も、描き出してみることで…スッとクリアになるかもしれません。
まずは小さな第一歩として、みえる化をやってみませんか。
良質なインプットと、ていねいなアウトプットを重ねていくことで、子育ても仕事も家庭も、ぜんぶ私らしく整っていく。
そんなヒントが、綾さんのお話にはたくさん散りばめられていました。
宮崎で頑張る女性たちが、それぞれの色をもっとのびのびと描いていけますように!
綾さん、ありがとうございました!

思考を“その場で描く”90分のグラフィック・セッションや強みを活かしたコーチングのサービスをされています!
詳しくはこちらから👉️https://wakatuta.com/graphicthinkingsession